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歯ブラシ・歯磨きの歴史

今でこそ当たり前の存在となった歯ブラシや歯磨き剤ですが、そもそもそれが登場したのはいつ頃からなのでしょうか?また、今日までどのような変遷を辿ってきたのでしょうか?

ここではそんな知られざる歯ブラシ・歯磨き剤の歴史についてご説明したいと思います。

日本での歯磨きの始祖

最初の一歩

日本の歯磨きの第一歩は1888年に資生堂から発売された福原衛生歯磨石鹸という商品から始まります。

当時は西洋文化が日本に輸入されてきている真っ只中だったので鯨や牛の骨に馬や羊、豚の毛を植毛した歯ブラシが大流行したそうです。

続く1896年にはライオンから日本発となる粉歯磨き剤獅子印ライオン歯磨が発売されます。

歯牙が強くて純白で歯磨きに相応しい、という理由から採用されたライオンの名前とイラストが人気を呼び、好評を博したのもあって大袋入りのものも発売されたそうです。

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ニッケル缶の登場

それから7年後、1903年には歯ブラシを湿らせて擦りつけて使うニッケル缶入りの歯磨き剤が発売されました。

粉が飛び散らず香りが失われないことがこの歯磨き剤の強みとしてありました。

また、従来のものはどれも家庭で使うことを前提としたので、持ち運べなかったのに対して、こちらはそのコンパクト性もあって旅行先などに携帯する人が続出。

その利便性が好評を博して海外にも輸出されるほどでした。

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携帯化・子どもへの普及

1911年にはこれまた日本で初となるチューブ入りの練り歯磨き剤が発売されました。

当時の日本では容器であるチューブを製造するのが技術的に難しかったので、販売元のライオンはわざわざチューブをアメリカから輸入していたそうです。

2年後の1913年には学童向けの歯磨き剤が発表されます。

今でこそ児童期からの虫歯予防や歯磨き習慣は重要視されていますが、当時はまだまだ歯磨きといえば大人がやるものでした。

この歯磨き剤は作るにあたり、子どもが好む配色や香りを研究したり、絵本や教育カードを付録として付けて啓蒙活動に励むなど、今の児童向け歯磨きの先駆けともいえる存在でした。

翌年の1914年にはライオンから萬歳歯刷子(ばんざいはぶらし)が発売されます。

これは東京歯科医学専門学校(東京歯科大学の前進)の指導に基づき開発されたものです。

牛骨の柄に豚毛を植毛したその作りは現在の歯ブラシの原型とも呼べる存在で、大人用に続き子供用も発売。文字通り一世を風靡しました。

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より使いやすく

それから20年後、1934年には粉歯磨きを改良した潤制タイプの歯磨き剤が人気となりました。

それまでのスタンダードだった粉歯磨きは欠点として”飛び散る””むせやすい”という問題があり、それが原因でお年寄りや子どもからはあまり評判がよくありませんでした。

潤制タイプの歯磨き粉はそういった問題が起きないので歯磨き剤嫌いの人を減らし、日本の歯磨き人工の増加に貢献したといわれています。

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一気に現代へ

戦争が終わって数年後の1948年には日本初となるフッ素入り歯磨き剤が発売されました。

アメリカで虫歯を予防するとしてフッ素が注目を集めていたことは当時の日本でも知られていましたが、当時日本ははまだ戦争中。

輸入するわけにも中々いかず、戦争が終わったことでやっと日本にもフッ素の波(?)が訪れたというわけです。

1951年にはアメリカ、デュポン社が開発したナイロンを植毛した「ライオン歯刷子」が発売されました。

歯ブラシ自体は1914年の萬歳歯刷子から大きく変わってはいませんでしたが、それまで動物の毛を使うのが常識だった歯ブラシ業界において、ナイロンの登場は衝撃的でした。

ここから歯ブラシの大量生産の時代が始まります。

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1960年代になると歯の健康面だけでなく、審美性にも注目が集まるようになり、それに応えるかのように62年には歯のヤニを除去する「タバコライオン」が発売されました。

これは歯のヤニを科学的に溶かして落とし、ツヤのある白い歯へと導く歯磨き剤として注目を集めました。

愛煙家特有の口臭をケアするスパイスも入っていたそうです。どんなスパイスだったのでしょうか?(笑)

更に、その四年後の68年には愛煙家だけでなく一般人からも対人エチケットを求める声が高まりエチケットライオンという歯磨き剤が発売されました。

これはTVの普及の時期と丁度重なったのでCM効果が極めて高く、一躍大ヒットを記録しました。

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歯をより綺麗に

1970年にはマイナスをゼロではなく、ゼロをプラスにするという意味でのホワイトニング成分配合の歯磨き剤が発売されました。

チューブにも特許ラミネートチューブを使っているこのホワイト&ホワイトライオン。

今の歯磨き剤とパッケージのデザインだけでなく中身の成分的も使い心地も非常に酷似しており、まさに現代の歯磨き剤の元祖ともいえる存在でした。

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そして21世紀に

1980年には歯の隙間もしっかり磨く山切りカットの歯ブラシが登場しました。

歯磨き剤は数多く改良が重ねられてきましたが、その一方で歯ブラシはいつまで経っても形が変わらない時代を送ってきました。

が、日本の高齢者人口の増加によって歯と歯の隙間もしっかり磨きたいという需要が増え、それに応える形で山切りカットの歯ブラシが開発されたわけです。

今でこそ良く見る形の歯ブラシですが、当時はかなり斬新で世間の注目を集めたとか(私は生まれるギリギリ前なので分かりません(汗

ちなみに、その1年後には世界初となる歯垢分解酵素(デキストラナーゼ)を配合した薬用歯磨き剤、クリニカライオンが発売されました。

最後に、1993年には歯周病予防に着目したオーラルケアシリーズが続々と登場し始めました。

「デンターシステマライオン」は薬用液状ハミガキ・歯ブラシ・薬用デンタルリンスがあり、歯ブラシは狭い歯周ポケットに楽に届く超極細のソフト&スリム毛も採用されました。

ここまで来ると見た目も中身も今とほとんど変わりませんね。

歯磨き・歯ブラシは進化し続けている

長々と歯磨き・歯ブラシの歴史について見てみましたが、いかがでしょうか?

100年前の最初の頃こそいまいちイメージが出来ないものばかりが並びますが、時代が新しくなるにつれて馴染みのあるものに変化していっているのが分かります。

また、黎明期は単純に歯を磨くことだけしか考えれられていなかった歯磨き・歯ブラシが、時代の変遷と共に「汚れ除去」→「虫歯予防」→「口臭除去」→「審美性Up」→「ホワイトニング効果」→「歯垢予防」→「薬用成分配合」と、求められてい役割が徐々に高度化しているのも興味深いところです。

歯磨き・歯ブラシの進化の歴史は歯科衛生の発展と深くに関わっています。コロコロ歯ブラシは現代の歯ブラシの一つの形を提示していますが、今後数十年・数百年(!)後は歯ブラシ・歯磨きはどのようになっているのでしょうか?興味深いところですね。

 

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